トップ>Triumph GT6 整備編>残り作業:意味の無いロールバー/ホイルリペア/ステアリング皮巻き(2005年09月)
☆意味のないロールバー
新品のカーペットを敷くにあたって、シート後部のスペースに残った古いカーペットを外したい。 が、そこにはロールバーがどっしり。でも小さめのボルトで止められているだけ。こいつを外せばカーペットを交換できるでしょう。
そう思ってそのボルトを抜いてみるとなんと、ボルトではなく単なるタッピングネジではありませんか!
まさかと思い、後部のパネルも外してロールバーの後方支点部分の取り付け状態を確認してみてビックリ!
リアのリーフスプリングの組み付け部分の上に蓋として取り付けられている薄っぺらいスチールカバーにボルトで取り付けているだけ。 しかもそのカバー自体は小さなビスでボディパネルに止められているもの。車体がひっくり返ったらこんなの一番に剥がれてしまいます。
そうです。このロールバーはロールバーとしての意味を全く成していない、単なる飾り物だったのです。
私の認識だと、ロールバーって車体の構造物に溶接して取り付けられているもの、っていうイメージだったので、これにはビックリでありました。

意味のないものを取り付けてても車重が重くなるだけで何のメリットもない(カッコつけてもしょうがない)ので、 ロールバーさんには隠居いただくことにしました。(でもいずれは正しい処置を施して生き返ってもらうかも・・・)

ロールバーの3箇所の支点のうち、2箇所はしょぼいタッピングネジで固定してあるだけ 後方の支点は薄いプレートにボルト留めしてるだけ。しかもそのプレートは 小さなビスでボディに留められているだけです

☆ホイールを綺麗にする
オールペンでボディは綺麗になりましたが、どうにもホイールがみすぼらしい。
センターの黒の塗装は薄汚れて所々剥がれかけてるし、アルミ部分も表面が荒れて全く輝きがない。
これはなんとかしなくっちゃ、ということで、リペアに取り掛かりました。
まずは塗装部分に剥離剤を塗り、古い塗装を浮かせます。黒の塗装は簡単に浮き上がり、 スクレイパーで落とせましたが、その下は何やら緑色の特殊な塗装が施されていたようでこれが剥離剤では落ちません。
400番の耐水ペーパーで研磨しましたが、アルミ素材の微細な凹凸面の凹の溝にはどうしても緑色が残ったままです。
これだけアルミ素材と一体になったような塗装(何か化学反応を起こさせているのか?)なので、こいつ自体が自然と剥がれることはないだろうと推測、 その上から黒のホイール塗装用スプレー缶で塗装しました。
あと、アルミ部分は1500番の耐水ペーパーで研磨。表面の荒れがひどく、思った程綺麗になりませんが、まぁまぁ見栄えもよくなりました。

まずは古い黒の塗装を剥離 ホイール用のスプレー缶で塗装し、アルミ部分も研磨

☆ホイールの革巻き失敗!
このクルマを入手した時に思ったのですが、ステアリングの革の色が青色で、この車の全体の色である黒に合わない。
青がどうしても浮いてるように思うし、スポークも黒に塗ってあるのが気に入らない。
で、青いのを黒の本皮に巻きなおし、スポークは塗装を落としてアルミの地金を活かすことにしました。
まずは元の青い革を剥がしました。剥がす時にどのように縫い付けているのかを確認し、その通りに巻き直すことにします。
塗装は剥離剤を塗布して剥がします。結構塗装がしっかりしていて何度か剥離材を塗りなおし、スクレイパーで一通り塗装を剥がしました。
アルミの地金は塗装に覆われていたため、当然錆もなく、綺麗な状態です。こりゃぁ磨けば光るぞぉ~。例によって粗目~細目~極細の順にコンパウンドで磨きをかけると、画像のようにそれなりに綺麗になりました。

革巻きの部材は東急ハンズで購入。しっくりと握れそうな革の端材を選びました。1300円強。縫い付けるための糸は、麻糸と細い革製の紐、それに革に穴をあけるための目抜きも購入。それらが700円程度。
革の幅はステアリングの握りの外形より1cm程短い9.5cmに、長さもが外系より1cm程短く切り出しました。
で、両端から3mm内側に縦に3mm間隔で目抜きで穴を開けていきます。それが終わったらその穴に糸を通していきます。
ここまでが結構大変な作業です。人針人針の手作業なのでとても時間がかかりました。

両端の穴に糸を通し終えると、今後は巻きの作業に入ります。
まずは長い帯状の両端を仮縫いで繋ぎ合わせ、ステアリングを外側から包みます。
革をステアリングの握りにあてがい、両端の穴に通した糸に革の両端から糸を通し、グッと締め上げます。
こうすると革が伸びて両端をステアリングの内側で合わせることができます。
最初、糸には麻糸を使ってみたのですが、強く締め上げるとプツッと切れてしまいました。なので、革製の紐を使いました。これだと大丈夫。
糸を通していく際には均等の力で締めていかないと縫い目が揃わないので注意が必要です。

巻き始めは結構綺麗に仕上がっていましたが、巻き進むにつれて革の皺が目立ち始め、なんだかみっともない様相を呈してきました。
どうやら革の切り出しサイズをもう少し小さいサイズで行うべきでした(特に長さ)。もっと短めの生地にしておけば革を余計に引っ張ることで皺も出にくかったのでは、と思います。
もう一度切り出しからやろうかと思いましたが、ここまでがえらく大変な作業だっただけにちょっとげんなりです。

元々の皮の色はブルー。いまいち雰囲気が合っていない 皮を剥ぎ取り(キャー!)、塗装も剥離して磨き上げ
巻き上げ用の本皮。周囲に3m間隔で皮糸を縫い込みます 縫い込んだ皮糸に同じ皮糸を通し、編みこんでいきます。 最初は綺麗に仕上がりそうでしたが、このあとどんどん皺だらけに