トップ>Triumph GT6 整備編>シャシーの修復と全塗装に出すことに・・・(2005年04月)
☆フロアは予想以上に悲惨な状態だった
運転席の足元のフロア。手前右のふたつの穴は錆で朽ちてできたもの
内装のリペア作業のうち、ダッシュトップ、ダッシュポード周りはほぼ完了したのですが、フロア回りは 手付かずのままです。この車を入手したとき、最初にカーペットをめくり、フロアが錆でかなり悲惨な状態だったのは 知っており、ずっと気になっていたのですが、ようやく手を入れることになりました。
カーペット自身も埃にまみれてよれよれの状態だったので、新品に交換します。spitbitsから取り寄せました。
お値段、170ドル、安くはありません。

まず運転席の足元の古いカーペットを剥がします。案の定、下はやばい状態です。この車、シャシーから下とボンネットはGT6で、ボディはMK2 or MK3のものらしいのですが、かなり程度の悪いボディを合体させたようです。
元々の運転席足元の床は腐ってたんでしょう、現在は鉄板をリベットでうちつけた状態になってます。
錆をワイヤーブラシで落としていくと、鉄板を貼り付けてある回りのボディの部分にも所々穴が開いています。
こりゃシートの下もやばそうだなぁ、と思い、シートを外しにかかるとシートレールが錆ついており、シートが後ろにずれてくれません。 シートレールをずらさないとレールをボディに止めているボルトの頭が出てきてくれないのです。
しょうがないのでシートをシートレールから外し(レール位置が後方にずれていないので作業箇所が狭くて大変でした)、 レールの一方をハンマーでカンカン叩いてレールをずらし、ようやくシートレールを外しました。これだけに2時間以上を費やし、えらく大変な作業でした。

で、運転席シート下のカーペットも剥がしてみるとやはり結構悲惨な状態でした。錆もさることながら、問題はシートを止めているボルト穴が画像のように浮き上がってしまっていること。 フロアパネルには本来のシート取り付け位置に専用のボルト穴が空けられているのですが、そことは違う位置にボルト穴を開け、そこに取り付けていたわけです。
たぶんGT6とMK2 or MK3とではシートの取り付け位置が違うんでしょうね。補強もせずにただ穴を開けてボルトナットでシートを取り付けただけの状態だったため、錆も手伝って浮いてしまったのでしょう。

こりゃぁどうしようか、と悩みました。いっそのこと板金屋に出して大々的に補修してもうらおうか、でもどっちみちそこまでするなら全塗装までやって綺麗にしたいしなぁ、でもそこまでやると結構大事になりそう。 う~ん、さすがに迷いましたが結論としては思い切って大工事を施すことにしました。

この週の1週間前、スピットの部品取りを見に行って、たまたま見つけたロータスのショップで綺麗にレストアされたエランやその他の名車を見て、 さすがに自分の車も綺麗にしたくなりました。
基本的には"金をかけずに修復する"という考えでこの趣味を始めたのですが、やはり"綺麗にする"ためにはどうしてもある程度の費用を覚悟しないとしょうがないですね。
ようやく外すことができたシートレールフレームの裏側
運連席シート下のシートを止めるボルト穴。フロアの一部が裂けて穴が浮き上がってます
同じく運転席シート下の水抜き穴。鉄板が割れています

☆所沢のショップに工場入り
所沢にあるITOさんに工場入り
というわけでショップにボディの修復と全塗装をお願いすることにしました。
ショップは所沢の"ITO"というお店です。
おととし、ヤフオクでポンコツのディスカバリーを入手したのですが(維持費の問題で昨年末売却しました!)、 それを出品していたお店です。
ちょっと風変わりな工場で、単なる板金整備工場だけではなく、事故車を修復して販売している、というお店です。
と言っても決して怪しい商売ではなく、事故車を修復することを宣言して、希望者には事故車の現状も見てもらった上で修復して売る、というものです。
なので、技術的に言えば"自動車を1台作り上げる"ということをやっているわけで、当然、総合的な技術力がなければできない仕事なわけです。

エンジンや足回りの整備技術のみならず、いわゆる板金の技術についてはかなりの自信をもっていることが感じられました。
「最近は板金屋と言ってもほとんどボディをパネルごとそっくり交換するだけで、鉄板を叩ける職人は少ないんだけど、 うちの連中はみんな鉄板叩いて修復する技術を持ってるから」 と、担当の方もその点を自慢しておられました。

一般的に"腕のいい頑固な職人さんがいる工場"というと小さな町工場が多く、そこに頼めば確かにいい仕事をしてくれるんだろうけど、 残念ながら一人~二人でやっているので"いつできあがるかわからない"ということも多いんだろうと思います。
その点、この工場は社員も多く作業スペースも広くて設備も立派です。

納期については私は特に急いでいないから、ということでお願いして、2ヶ月~3ヶ月程度、ということでした。
工場は広くて設備も立派。腕のいい職人さんもたくさん
工場の奥には塗装ブースが見えます
渋いルノーが停めてありました。フルレストアを依頼されてるそうです
というわけで、GT6く~ん、しばしのお別れじゃ~