トップ>Triumph GT6 整備編>フレアリングツールでブレーキパイプ自作(2004年09月)
☆改めてブレーキマスターシリンダのオーバーホールを行う
週末は2週続きの雨模様。シャシーを引っ張り出す作業はこの週末もおあずけでした。
で、いつかやろうと思っていたGT6の整備作業をやることに。
ブレーキマスターシリンダのオーバーホールです。
復活作業時、放置スピットから取り外してきたマスターシリンダは その時点ではリペアキットの手持ちが無く、シールの程度もまぁまぁ良かったので、ざっと分解して、 簡単に汚れを落としてから組み上げただけの状態で使っていました。
が、ここにきて時々ブレーキを踏んだときにフワッっとした感触になることがあり、不安な状態だったので、 復活後に入手しておいたリペアキットでオーバーホールを行うことにしました。

油圧警告装置の役目を持つPDWAバルブ
作業に着手したところ、マスターシリンダからのラインと前後プレーキへのラインを接続するコネクタの部分にフルードの滲みを発見しました。
この部品、単なるコネクタではなく、パーツリストなんぞを見ると、"PDWA"となっていて、どうやら油圧警告装置の役目も果たしているようです。
確かに電装系の接続コネクタも付いています。
色々調べてみると、ブレーキラインの圧が低下すると警告ランプが点灯する仕組みを提供するためのものらしいことがわかりました。
ふ~ん、いいねいいね、今度適当に配線を付けてテストしてみようっと!

このパーツの日本での一般的な呼び名を知らないので、以降、"PDWAバルブ"と呼ぶことにします。
さて、PDWAバルブからのオイル滲みですが、元々オリジナルのものから放置スピットのものに交換することになったのは マスターシリンダを放置スピットのものにしたことによってオリジナルのPDWAバルブとフレアナット (ブレーキパイプに付いてるナット)が合わず、PDWAバルブも合わせて放置スピットのものにしたからです。
が、こっちのPDWAバルブだと、新しく引きなおしたリアブレーキラインのフレアナットと 微妙にサイズ(スクリュー部の長さ)が合っておらず、完全にナットを締めきれていないことが原因のようでした。

どうやって繋ぎなおそうか・・・。オリジナルとは違う組み合わせなので、当然、Spitbits等のパーツショップでもそれ用のパイプは売っていません。
色々とやってみて、最終的な結論は、
「GT6に元々付いていたPDWAバルブに戻し、そのPDWAバルブに使われていたフレアナットを使って、 マスターシリンダと接続するブレーキパイプを作る」
ということでした。


☆やってみました、ブレーキパイプ自作
さて、専用のブレーキパイプを作るということで、最初は加工してくれる業者がないか探しました。
結果、どこも見つかりませんでした。知り合いのF自動車さんに聞いてみましたが、
「昔は結構みんな業者は自分でやってたけど、最近はやらなくなってるからなぁ、、、」とのことでした。
そうか、となるとこりゃ自分でやるしかないか、でもどうやってやるんだろう?なんか専用の道具はあるのかなぁ?、 と、疑問は膨らむばかり。でもやっぱりインターネットは便利です。 「フレアリングツール」という専用工具があることを知りました。
プレーキパイプの端をあの形状に加工することを「フレア加工」と言うそうです。
なるほど、フレアスカートのフレアですね。でもツールは高価なのでは?
と探して見ると、なんのなんの、ストレートさんにて3,130円で売ってました!安い!
自宅から30分のSHOPにてさっそく購入、いざ、ブレーキパイプの自作に挑戦開始です!
以下、画像とともに作業の様子を大公開・・・

フレアリングツールセット、3,130円なり。
上左からパイプカッター、プレス機、パイプホルダー、
プレスアダプター。
パイプをパイプカッターに挟み込み、カッターで切り込みを入れて パイプを回します。あまり強く挟み込むとパイプが歪んでしまうので、浅く切り込みを入れて1回転、 さらに切り込みを入れて回転、これを繰り返すとポロッと切れてくれます。
切り口はパイプカッターに付いている金具でバリ取りをします。 これをやらないとうまく形成できないことがあるそうです。 バリ取りを終えたパイプをホルダーに挟み、アダプタをパイプの上に当ててプレス機でパイプの先端を押しつぶします。一気に潰した方が綺麗にできるようです。
まっすぐだったパイプはこんな形に潰れます。 今度はホルダーを外し、プレス機の先端をパイプ穴に押し込んでプレスします。 内側から外側へ少し潰し広げるわけですね。
これで一応完成。実際にマスターシリンダに取り付ける時に、しっかり捻じ込むことによって先端がさらに潰れ、シリンダ内部との密着性が増すことになります。 良くみると潰れた部分はちょっとパイプの中心から偏っていますが、取り付けには問題ありませんでした。
加工が終わったパイプはチュービングベンダーというツール(1,660円)で曲げ加工します。
手でも曲げられますが、これを使った方が仕上がりが綺麗。
ということで、自作ブレーキパイプを無事マスターシリンダに取り付け完了しました。

初めてフレア加工をやってみた感想はと言うと・・・とっても簡単!
これでフルード漏れが起きないのであれば言うことないですよ。
今後はラインの引き直しとかは特に専用のブレーキラインを買わずとも 汎用の銅管とフレアナットを入手しておけばいつでも交換可能。
ちなみに、作業終了後、ざっとエア抜きをしてから近所を30分ほど走り回ってみましたが 自作ライン付近からのフルード漏れはみられませんでした。
もちろん、ある程度の距離を走って耐久上の問題がでないかどうか、検証していくつもりです。