トップ>Triumph GT6 整備編>高すぎるアイドリングの原因は・・・?(2004年08月) |
☆原因究明のためキャブ分解 | |
ざっと分解したキャブレター。スクリュー類もすべて抜いて清掃 | さて、何とか復活を果たし、元気に走り回っているGT6ですが、走らせながらどうも気になることが出てきました。アイドリングが高すぎるんです。 実は、車検取得時にも排ガス検査でアイドリングが高くて苦労したようなのですが、色々調整してもこれ以上落とせないようで、結局少し高い状態で我慢していました。 でも遮蔽板を取り付ける前は皮肉なことにエンジンが熱を持ってくるとキャブの温度/ガソリンの温度もかなり上がってしまい、その結果、吸気効率が落ちるのでしょう、多少はアイドリングが落ちてくれていました。それでも1100から1200回転程度。 ところが遮蔽板の効果は思ったより大きく、アイドリングは全く落ちなくなり、結果、常に1300から1500回転程度のアイドリングで、これは止まっていてもかなりうるさく、我慢の限界を超えています。 自分でも考えられる調整を色々やってみましたが、どうしても落ちてくれません。(プロがやっても落ちないんだから当然か) 考えられる原因は何だろうか?例によって素人頭で原因を推測してみました。 ①スロットルバルブが閉じてない→本来、アイドリングスクリューを目いっぱい緩めてしまえば(ストロンバーグキャブの調整の場合)バルブは閉じきってしまい、必要以上に混合気は吸入できないはずではないのか? ②ストロンバーグキャブの構造はよく理解していないが、スロットルバルブが閉じていてもバイパス経路から混合気はアイドリングに必要な一定量が吸入される構造になっているはず。このバイパス経路からの混合気がなんらかの理由で想定量よりも多く供給されてしまっているのでは? ③メインジェットからのガソリンの供給量が多すぎる で、まずこれらの疑いを確認するためにキャブを一旦、バラしてみることにしました。 |
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☆犯人はこいつだ! | |
スロットルバルブの開閉部にカーボンが付着してたりすると、①に該当するはずだけど、特にそういった汚れは見られない。 次に③に関連してニードルが磨耗していないかも見てみたが、こちらも大丈夫。だとすると、あとはバイパス経路絡みかなぁ・・・ 念のため一通り各パーツを洗浄し、組み上げてインマニに取り付けたところで試しにエンジンをかけてみました。 すると・・・ あ~ら不思議・・・回転はグッと落ちているじゃないですか。スロットルスクリューを少し締めないと止まってしまう程です(それで正常なんです!)。 あれぇ~?なんでだろうなぁ、特に汚れがひどいとこはなかったんだけどなぁ・・・まいっか、 と、取りあえずは気を良くしてアイドリング調整、で、エアフィルターを取り付けて、その辺を一回りしようとエンジンをかけると・・・ あ~ら不思議・・・回転はグッと上がっているじゃないですか! ん~??待てよぉ・・・エアフィルターを取り付けてアイドリングがあがってしまったということは・・・ エアフィルターを外してよ~く見てみると・・・ |
矢印の吸気口がパッキンで塞がっていました |
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お~!こいつだ!原因は!パッキンだ! アイドリング時のエンジンシリンダからの負圧(要は空気を吸い込む力ですね)を逃がすために設けられている吸気口をパッキンが塞いでしまっていたんだ! このためにバイパス経路から余計に混合気を吸い込むことになってしまったんだ! おまけによく見るとこの社外品のエアフィルター、そもそもこの吸気口用の穴が無いのを無理やり穴を開けているんだけれど、それが若干、キャブ側と位置がずれている。 おまけにパッキンで塞いでるんじゃ意味あれへん・・・ も~、ちゃんと仕事しようよぉ~ で、この穴の位置を補正してパッキンにも穴を開け、再度取り付けてエンジンをかけました。 う~ん、バッチリです。なんとか900~1000回転前後でアイドリングするようになってくれました。嬉しいぞ! その後、GT6はいたって快調、毎週末、暑さにめげずに近所をブォンブォン言わせながら走り回っております。 この先、燃料供給系統の交換(ガソリン漏れが恐いよぉ~)、ボディフロア周りの補修(カーペットをはがすと結構腐り部分が・・・(^^;)や、内外装のリペアを順次やっていく予定です。 一方で、止まったままの肝心のMK4のレストアにも並行して着手予定です。 8月は暑さ&夏季休暇であまり作業はできませんが、秋風が吹くようになれば本格的に着手していきたいと思います。 |